21時の珈琲

キャリア迷子の企画職ワーママ(育休中)が考える、育児、仕事、日々の記録。

アートこそ"オフライン"で

東京のコロナ感染者が増えている中、こんなことを言うのは気が引けます。

 

「絵画なんて、教科書で見るのといっしょ」

そう思っていた私が、ああこれはリアルでないと、と感銘を受けた作品がありました。

 

それは、2015年に開催されたモネ展の「印象、日の出」。

 

f:id:mameco98:20200708154629p:image

 

ちょうど太陽が描かれている部分に光があたって、本当にきらきらと輝いていた、発光していた。

 

空のうねり、水面の揺れの、絵の具がのった感じ、その感触。

レプリカとは違う、モネの瞳が見た色彩。

 

本物を見に行かないと、わからない。

印刷されたペーパーや、映し出されたディスプレイでは伝わらない。

 

おんなじことは、音楽にも言えると思います。

オーケストラの演奏は、ぜひ一度、ホールで聴いてみてください。

演者の息遣い、弓のこすれる音まで聞こえてくるよう。

その演奏会に込められた指揮者やオケ、作曲家の想い、呼応して心臓が脈打つ感覚は、やっぱり聴きにいかないと、わからないのです。

 

ありていに申し上げて、"アート"なるものは、食べていくのに何の役にも立ちません。だけど生きていく上で、これがないとつまらない。

 

本質を見抜くこと。普遍的な価値を知ること。

相手と比べないで自分を保つ方法。

知らなかった自己を省みる時間。

 

机に向かわなくても、ちょっと美術館やホールに行くだけで、少しわかった感じがするのです。

それはきっと、日常の息苦しさに悶える私たちにとって、ひとさじのスパイスになる。

 

ぜひに、オフラインで感じてほしいのです。そういう時は、目一杯、好きなお洒落をしてね。